真夜中過ぎに夢を見た

何故だか喉が渇いた。


それは今日の午後のことだった。毎週火水は実験の日である。
今日も今日とてX線を放射。実験室でX線を使っている間は、扉の上に設置されたランプが赤く光り、X線使用中ということを知らせてくれる。
・・・ただ、パトカーのランプと同じなのが難点だが。何だ、事故か!?一瞬、そう思わせるくらい激しい。やりすぎだ。実験をやっている方としても焦る。


目的は物質の構造解析だ。詳しい説明は省くが、X線を物質に当てると、ブラッグ反射という現象が起こり、X線が反射する。それをフィルムに感光させ撮影する、という内容だ。もちろん、現像も自分で行う。今すぐでも写真屋でバイトできる勢いである。


そして、現像したフィルムをスキャナで取り込み、ImageJというソフトを使い解析する。そのデータをexcelに打ち込むのだが、そのとき事件は起きた。


なんだか鼻の辺りが水っぽい。花粉症の性質があるので、鼻水か?と思ったが、それにしてはやけに流れてくる。ティッシュで拭いた。


・・・赤い。これでもかというほど真っ赤だ。


要するに鼻血である。大学生にもなって、しかも実験中に鼻血とは妙に情けない。実験のパートナーにも驚かれてしまった。


鼻血が出ていいことなど一つも無い。脳にいく酸素を直接取り込んでいるのが鼻なのだが、それが阻害されるからだ。そのせいか、今日の実験はいいことなく終わった。
あと4回しかない。それで実験を終わらせ、レポートを提出せねばならない。本当に間に合うのだろうか。大学祭に向けての練習も始まる。実験の方法だけでも、今のうちから書き始める必要があるな。そう思った。


脳の働きが鈍ったせいなのか、いや、夕食を食べなかったのもあるのか、今日の駅前留学もいまいちだった。とにかく頭が働かない。いつもなら何とかなるような会話すらおぼつかない。大丈夫なのだろうか俺は。


十分な酸素と栄養。これらが脳に不可欠であると実感した日だった。
さんざんな日である。


そして明日は物理学演習。
また動かない頭を必死で働かせて問題を解かねば。